はたして誰が読むのだろうか?

黒猫さんとメガネくんの初恋同盟 (つばさ文庫(角川))

黒猫さんとメガネくんの初恋同盟 (つばさ文庫(角川))

 はたして、いま児童文学でこの手のものを誰が読むというのだろうか。精神論と説教と無鉄砲な冒険について行けない、あるいは無謀な行動を否定する価値観を内面化してしまったよい子の男の子を受け止める児童文学が久しく存在しなかった間に、男の子は背伸びしてラノベか技術書へ行ってしまったのではないだろうか、と思わずにはいられなかった。

 珍しくストレートに「いい話」だったのが不満と言えば不満。いや、どうしようもないすれ違いは苦いのだけれど、本筋自体はすごく「いい話」なんだよね……。

 ヒロインがこんなにゲスくていいのかというのと、あまりにいろいろ欠落しすぎててやばい。だが最後のヤルタ会談だけはイイ緊迫感だった。それはそれとして『恋する鬼門のプロトコル』まだかよ。

ひとつ火の粉の雪の中 (新潮文庫nex)

ひとつ火の粉の雪の中 (新潮文庫nex)

 ああ、これではシリーズ化しにくいだろう。
 一方で、『ポートタウン・ブルース』などと比較して考えると、富士見初期の目指したモノが「ソノラマ文庫の路線」だったのだなということがひしひしと伝わってくる。日本では数少ない、ファンタジーや伝奇やSFを堂々と出せる媒体であったソノラマ文庫、そのチャンネル増加と裾野の拡大を狙っていたことが作品からも伺えた。だからこそ、『スレイヤーズ!』は鬼っ子として登場し、しかし主流をつかみ取ったのが皮肉と言わざるを得ない。

異世界チートも傷をえぐることがある

 演奏描写はすごく勢いがある(銀盤カレイドスコープ1、2のスケート描写を思い出す)し、一気に読める程度には面白いのだが……元吹奏楽部員には一部笑えねえんだ……。ノンケのラノベ読者にはまだ薦められるんだがな……。

群青のタンデム

群青のタンデム

 今年の壁投げ納めになってくれることを祈ろう。あうあわないでいえば間違いなく合わなかった。ミステリについて頭が固いというのもあるが、この人の本は基本的に陰湿さが際立つのでどうも。

前略。ねこと天使と同居はじめました。三匹目 (HJ文庫)

前略。ねこと天使と同居はじめました。三匹目 (HJ文庫)

 猫が本格参戦したら起こしてください。

 積みたくて積んだんじゃない! リラックマブランケットが欲しかっただけだ!(すぐばれる嘘はやめなさい

逆転裁判ガンダム版


……それはそれとしてフライルー組みたくなってきた。でもあれ嵩張るんだよなあ……。

前略。ねこと天使と同居はじめました。 (HJ文庫 ひ)

前略。ねこと天使と同居はじめました。 (HJ文庫 ひ)

前略。ねこと天使と同居はじめました。二匹目 (HJ文庫)

前略。ねこと天使と同居はじめました。二匹目 (HJ文庫)

……クラスメイト全員ねらーで総ツッコミ、はこのときから変わってないのかw
でもまあイチャコラは外野的には楽しい。ぎすぎすしないのが物足りないが!w

どんなに否定しても、あたしはおまえだ『リトル・フェアリー』ーーーーーーー!!

 サンフランシスコのインターアーバンをモデルにした電車運転士もの。そして……素晴らしいまでの表紙詐欺w。
 ぱっと見で『うみやまてつどう』期待したなら大丈夫だが、『ローカル線で行こう!』や『鉄道員』みたいなほのぼのローカル想像したら絶対にダメ。かといって鉄道むすめなんて想像したら爆死不可避。
 本作で期待すべきは『湾岸ミッドナイト』か『頭文字D』、さもなくば『エリア88』か『宇宙戦艦ヤマト』である。『θ 11番ホームの妖精 鏡仕掛けの乙女たち』でも構わない。

うみやまてつどう さいしゅうでんしゃのふしぎなおきゃくさん

うみやまてつどう さいしゅうでんしゃのふしぎなおきゃくさん

 つまりいちいち手順を喚呼し機構の動作を描写し、テンションを上げていくタイプの作品が好きで、見ず知らずの仲間がひとつの目的に向かって結集するとかハイスピードで展開する事件とか、そういうものが好きなら、鉄道に対する興味があまりなくてもかなり楽しめるのである。それでいてあちこちで吹き荒れる鉄分の嵐。わかる人にはわかる小ネタや雑学が、初心者回れ右させない程度に織り込まれていて、それもスパイスとして機能している。『リトル・フェアリー』の由来とか、鉄道史、ローカル私鉄史に興味があればニヤニヤせざるをえない。あと過去の祭りの話も。


 あえていおう、2014年の鉄道小説最高傑作だと!(『θ』新装版もいいけど鉄分の差が決定的だw)


 このままきれいに終わってしまった方がいいのかもしれないけど、まだまだ彼女らの活躍や他の車両の活躍が見たいのが悩ましい。そして欲をいえば登場車両の設定画掲載や、あるいは鉄コレでの販売を!!(ぉぃ

素直じゃない男ども。

ゲームセットにはまだ早い

ゲームセットにはまだ早い

 てっきりコバルト本誌に載ってたのだと思って手に取ったら違った。
 で、『天翔けるバカ』だと思ったら『神の棘』だった。ほんっとーーーーに素直じゃない連中ばかりである。


 ポインターがワープして困っていたが、友人にもらったおっぱいマウスパッドにしたら症状がなくなり、でもって手首の置き場所として優秀すぎて困る。……家族に見られたらまずいが!w。

あっさり

 エリザヴェータはあっさり引き下がったなー、と思うのである。

 レギンが着々と正妻の余裕を見せ始めたのではなかろうか、と。いざとなったら手段選ぶ必要がないという点ではエレンより上手な気もしないではなく。

 「ヘタレでない主人公」の解決策が「開き直ってバカップル」というのはそれはそれで面白かったのだが、時事ネタ、スラングが目立つのはマイナスに思う。もっとも、これは俺の趣味の話であって、司書的・研究者的発想である種の歴史的資料としてとらえるのならアリではある。

うーん。

レアリアI (新潮文庫nex)

レアリアI (新潮文庫nex)

 前の世代のごちゃごちゃを引き継いで、これに決着をつけるファンタジーであることはわかるのであるが、彩雲国そのままのコミカルなやりとりが頻発するせいで「どこまで本気なのかわからん」展開に見えるのがなんとも。
 というか影技読者には「シア・カーンとリルベルト・ビジューがカイ・シンクと国家規模で殴り合いしてる状態の中、ガウがヴァイ・ロー引き連れてロウとイチャコラしつつエレの命狙ってる」と見えて困る(※個人の感想です)。

 ここのは転生体説なのね、と。中途半端に腐ってるせいで「闇戦国」に見える病気。