想いのみ、雑味無し
『属性yd 05』をようやく確保。
時は200X年……。
肉体を捨てて二次元にのみ生きる少女たちは、嘘と迷いとその他諸々の「きたないもの」を捨てて、ついには異性すら捨ててしまった……。だが想いだけは捨てられていなかった!!!
……てな感じのコバルト本誌風装丁なヤンデレアンソロジー。
私のヤンデレに関する見解は「プリンセスストーリーの過激な追認」というものであるが、それとは別に、今回のアンソロジーを読みながら、「少女の構成要素から『汚いもの』をすべて排除し尽くすとこうなる」というひとつの回答を見たような気がした。それはもちろん俺の中の誰かが見た幻想なのかもしれないけれど。
「女の子って何でできてるの? お砂糖、スパイス、素敵な何か」。
でも素敵じゃなくて汚いものもたくさん。
肉体。
嘘と見栄。
派閥と保身。
積極性。
……そして血を流す醜い臓物。いつか汚い生物によって摘み取られるもの。
「そんなもの、いらない」?(y/n)
全部捨てるのか。あえて全部抱え込んで武器とするか。
我ながら極端な嗜好と属性だとは思う。その二面性こそ、内面で「想像の少女」を育てることしかできない「肉体を持つ」「男」という汚物の限界なのだろうとも。
「それはあなたという存在が生きるために『実利』を必要としなければならないからじゃないの?」
20年前に壊れた「俺の中の誰か」が、15年前に壊れた「俺」に向かって笑う。まったくその通りではあるだけに、余計に現実がうとましい。