悪意の発露。

異人論序説 (ちくま学芸文庫)

異人論序説 (ちくま学芸文庫)

 混沌から悪意を形にする。そのためには準備が必要。


 ……というわけではないのだけど、職場で数冊の児童書を見て考えることが最近多い。というかますますボーダレス化が進んでいるなあと。特に挿絵関係。カラフル文庫、ポケット文庫あたりがその代表格か。
 しかし一方で、「他者」「得体の知れない何か」であることは変わらず、半端に回路を開いているせいで余計にそれに直面しやすくなっている。きっとそれはどちらにとっても不幸な気がする。生存競争における敵だと認めてしまえば楽なのに、認めることができない。その方が客観的に見ることができるはずなのに、見た瞬間戻れなくなることがわかっているから。


 作家というのは外なる神を絵に残そうとするような作業かもしれない。
 その絵を見ながらリアリズムを論じることってなんなんだろうかとも思う。それでいてその化け物の姿こそがリアルだと嘯くことはできても言い切ることができなかったことへの自己嫌悪。足りなかったのは実力か度胸か諦観か。


 それはそれとしてゲラ校正で文献執筆者名の誤変換見落としたことに今気づいたぜorz