日本は晴海を中心とした801の国である。

リアルで危険企画第1弾。


12日未明、2chハングル板仕事スレ休憩所にて生物*1兵器によるテロが発生した。運悪くリアルタイムで居合わせた大学院生によると、直後の風景は以下の通り。

                 うぉえっぷ 
           〃⌒ ヽフ 
          /   rノ 
         Ο Ο_)*** 

まー端的に言うと、「かの国を越えた斜め上」(ニュースサイト等で調べること)の勢いから801の話題になだれ込んだ中で、「北の将軍×南の大統領」ネタを投下した愚か者がいたわけだ。純一郎×ジョージ*2ネタで溜飲を下げるアフォな反日暇人もいないわけではないが困ったものである。


もちろん、月鎌はこのまま笑って終わってしまうような、ただの嫌韓サイトと同じことをするわけがない。
よって耐性のない人々には早々に退去することを奨める。

妄想力はシャットダウンしたか?
神様にお祈りは?
部屋の隅のバケツにタパタパ吐きながら命乞いをする心の準備はOK?

さて。
この直後から書き込まれた批判に「単なる同性愛と801は違う」というものが相次いだ。言うまでもないことだが801の餌食になるのは美少年であり、単にむさいオッサンは悪役、エロゲで言うなら○作程度の扱いに過ぎない。しかし、801文化の拡大は、この限定にさらなる縛りを加える方向へ作用した。すなわち「必然性の要求」と「萌え」、裏を返せばジャンルにおける良作の条件という絞り込みである。
文化として急速に拡大した「801」は、内部的競争と淘汰の末に「Boys Love」(以下BLと表記する)という物語ジャンルを確立した。山もオチも意味もなく縺れ絡んでいたキャラクターが、一定の人物・物語フォーマットに則ってヤマとオチを手に入れたわけだ。BLジャンルでは、同性であるが故の各種障害を越え、運命的必然の結果として唐突さを極力廃した上で(検閲削除)に至りハーレクイン的予定調和のハッピーエンドを迎えるという「物語性」とそこにおける「キャラクターの葛藤と関係性」が重視される。そして現在、BLジャンルは大量消費の時代を迎え、昔ながらの801な粗製濫造、同性であることによる独自性・葛藤のない「コンバチエロ*3」が氾濫している。


しかしこの「801文化」における、BLとコンバチエロ、801とハードゲイ的同性愛の間での原理主義とそれ以外の抗争は実のところ男性ヲタにとって何ら珍しいものではない。
以前EZ!TVをきっかけに燃焼した、「プチ萌え」排除と特権意識の問題とよく似た構図を持っているように私は考えるからだ。


初期801、いわゆる「C翼・☆矢・トルーパー」と一括して扱われる時代において801に存在した要素はキャラクター同士の関係性でしかなかった。小次郎×翼のライバル関係であり、仁×朱天の敵対→共闘関係であり、一輝×瞬の兄弟関係である。振り返ってエロゲではどうか。隣のPC9801*4起動するのもめんどくさいが、教師生徒、幼馴染み(ry)。どちらの場合においても、関係性と状況設定はイコールで結ばれ、セリフも関係性から導かれるお約束の範囲で、結局は(検閲削除)の副次的要素に過ぎなかったのだ(例外を認めるとすればエロゲ側の「モンスター」だろうか(笑)*5)。字義において801だったのである。
それが大きく変わったとすれば、エロゲ側は『Desire』のようなシナリオに凝った作品の登場であり、801側は同人作家が商業へ進出し同性愛的要素を持った作品の地盤を拡大した*6ことであろう。アニメージュ文庫を筆頭としたティーンズ小説レーベルが拡大、ルビー文庫といったBLレーベルも整備されていく中で、角川のメディアミックス戦略はアニメ層(と親和性の高かったゲーム層)を小説に取り込んだ。官能小説出版社まで巻き込んだBLレーベルの乱立と淘汰に、アニメ層取り込みによる挿絵傾向の変化(西炯子と起家一子を比較してみよ)が加わり(「萌え」の導入……従来の801文化的妄想に対して流用されたエロゲサイドの概念でもある)、ほぼ前後して「鍵」*7が開いた……。


ジャンルの熟成と、シナリオ重視ムーヴメントの隆盛という意味では経緯は多少異なる。しかし両者に共通するのは、本義の「801」的(エロゲ的に言うなら「抜き重視」的w)構築ではなく、物語を前提とした方向で構築されたものの「絞り込み」、(わずかながらも)高尚であるとの価値観の発生である。「必然性があること」「物語としてよくできていること」「(キャラクターが)純粋で真摯であること」……。同時に「絞り込まれたものから外れるもの」への視線。

お互いが、お互いの姿から見えてくるものこそ、今すがりつこうとしているものではないのか。

だからどうしろというつもりはない。ただ、個人的には冥府魔道への道連れは多い方が爽快だ。

*1:読みは「ナマモノ」

*2:個人的にこの前後関係は譲れないんだが逆になっているものが多いあたりまだまだ文化として定着熟成していないようである(ゲラ)。高出力腐女子回路搭載ハイブリッドヲタなめんな。

*3:男女を男男に入れ替えただけのダメ作品。コバルト等一般レーベルでも(検閲削除)しているので原理主義者(笑)からはエロ小説扱いされる。

*4:学部序盤はレポートもWindows3.1の一太郎6で打っていたのと、専ら『激ソロ』の都合もあり未だに現役稼働中。

*5:『ランス』『カオスエンジェルズ』等

*6:高河ゆんアーシアン』等

*7:タクティクス『ONE』以後のkey作品のジャンル内部呼称。リーフ作品とコミで「葉鍵」と呼ばれる。