大きな物語の再興

 ……王子様の復権という話を先日書いたわけだが、同時に「大きな物語」の再興も著しいと思うのが最近のラノベ
 等身大主人公の日常・非日常から、国家単位の殴り合い(『ゆらゆらと揺れる海の彼方』『空の鐘の音の響く惑星で』)が増えてきたように思うのである。
 今回私の副査として付くことになるであろう最強の敵から聞いたところによると、彼が昔書いたものに目を付けた編集者がいたらしく、担当が付くという段階にあるとのことだが、彼が書いたのはある国の「実際の事件をSF仕立てにしたもの」だそうで、このあたりにもライトノベルにおける大河志向が見て取れるような気がする。