ドイツ
教養小説およびこの系譜に属する
ジュブナイルを源流に引き継ぎながらも「
ラノベは基本的に
少女小説の派生物である」という定義の点では俺は全くこれを譲る気はないのだが、本作の基本ラインはどこか『
楽園の魔女たち』と同じような、少女自身が障害を粉砕する物語でもあることが明らかになってきたのがここ二冊。一番大きな障害を抱えていた少女の本気が今回の新刊。さらにいえば、『
AIR』でさんざん語られた感のある「主人公の無力」がスパイスとして作用している。いやもちろんあれほど完全に無力ではないんだが、乗り越えるのは少女自身であるのは変わらず。
……はいいんだけど、あと一冊でたためるのかこれ?w