残念な女チキンレース

 サウンドオブミュージック亜種系とでもいうか、小公子亜種系とでもいうか、不器用無愛想なイケメンを落とすタイプの姫嫁系は、主人公ヒロインが「残念」であることが最近の流行りなんだろうかと。ただやはり最後を相手役に丸投げしてしまうのは俺の好みに著しく反する、というか無責任に見える。そういう意味では女性が責任主体と見なされなかった時代との相性は鉄板である。
 ちなみに俺的少女小説「残念なヒロイン」ランキングベスト3はサラ・バーリンとシア・シーカとアリシア・フェイトリン。


幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫)

幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫)

 ヒロインがぶっ飛んでいるという評判だったので吶喊してみたが、テンプレをさほど踏み出しているとも思えない。ただ、彼女の恋愛観やヒロインを庇護しようとする相手に対する辛辣さは面白い。


 俺が姫嫁物嫌いなのは、テンプレ過ぎるというのと、前述の無責任・依存丸出しっぷりがむかつくというものだが、さらにいえば、駆け引きにおける最大の難関(つまり認めさせる過程)が消失するということもある。要するに1巻だけが及第点でも、その後の消化試合がぐだぐだ過ぎてなあ、と。このあたり「共通ルートが面白くて分岐後やる気がない(ただしバッドエンドは好み)」というエロゲプレイヤー姿勢と共通する。