ライターを見直した。

 「おとボク2」とりあえず二周。

おとボクレビュー 総論序盤編
http://d.hatena.ne.jp/Kadzuki/20050219#p1

 前作では上記のように盛大に不満をぶちまけたが、今作では驚くほど改善されていた。もちろん終盤の主導権争いや「突然男に戻る」ような展開は俺の好みでは全くないのだが、それはメディアの限界として許容するとしよう。しかし、それでも劇的な改善が見られている。それはおそらく、男性が内包する「少女」の「自由」への共感と、(少なくとも俺のような人間が抱いている)ジェンダーへの、とりわけ「男性」への反発を適切に共有し、料理しているからだろう。


 そしてその根幹は、主人公が、父親への不信感を強く持ち、母親に対して(無意識かつ自発的に)娘の「役割」を引き受けてきた、そして男子校からドロップアウトした存在であることに起因する。
 「男性」に縛られている。しかし「男性」には「なれない」。母親によって女学校に追い込まれるまでもなく「娘」の役割を背負わされている。けれど性同一性障害ではない。そんな彼にとって女学校は適切な他者として作用し、シナリオは、ジェンダーを一時的に解体し余計な部品(詳細はネタバレにつき自重)を排除した上で必要な部品を追加、再構築する過程を描ききった。もちろん氷室的「フィクション」もエロゲ的「フィクション」もてんこ盛りなのだが、前作ほどの不快感がないのはやはり主人公が「男性」としては不完全、不十分なことによるのではないかと思うのだ。


 ただなー、やっぱこのライター、ヘテロ書くの嫌いなんじゃないかと思うんだよな−。