魔女その1。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 買ってきた。後で読む。


 どっぷりと砂田弘言うところの「吉屋亜種」な世界に浸かってきた俺だが、最近は「日本には欧米的意味での少女小説は存在しない」という彼の言説をつい大まじめに考えてしまう。砂田がなんでも民衆の抵抗に結びつけてしまうバリバリの社会主義者だということを差し引いても、佐藤忠男言うところの裏の規範や若桑言うところのプリンセス志向やらと、いわゆるフェミ系の主張との狭間にあるあまりにも大きな断絶に、俺の体が付いていかない感がある。
 つまりは、コバルトの「売れ筋作品」をろくに読めなくなってきた。依存志向の作品に不快感を抱くようになってきた。同時に、人間不信で末期的マザコンの男どもにうんざり。
 ひとことで言うと「ま た シ ャ ア か ! ! ! 」トミノ御大ってどこまで偉大なんだよ。


 いつまで「家庭」の呪縛はあり続けるのか、いつまで「自らそこに囚われ続ける」のか。そしていつまで少女小説に「家庭の敵」への「敵意」がのさばり続けるのか。
 オタコンテンツに「なぜ萌えるのか」というグロテスクな問いが横たわっているように、少女小説にもまた「なぜ家庭を志向するのか」というやはりグロテスクな問いがある。
 それらを三次元やジェンダーに責任転嫁している限り、YA(〜中年)は商品の作り手に搾取され続けるだろうと俺は思う。搾取無くして発展しない、という見方には与したくないのだが。