おまえもか。
階層化日本と教育危機―不平等再生産から意欲格差社会(インセンティブ・ディバイド)へ
- 作者: 苅谷剛彦
- 出版社/メーカー: 有信堂高文社
- 発売日: 2001/07
- メディア: 単行本
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「そのタイトルを冠していながらおまえも学区固定制を持ち上げるのか」と、呆れたというか馬鹿馬鹿しくなったというか失望したというか。先輩から借りた本に何を言ってるんだという気もするけどな。
俺は「教育資本」という考え方*1そのものには同意するので、全体としては面白く読んでいるのだが、やはりどうしても俺はクソ教育者どもの不作為殺人に対しては熱くなる。
俺にとって、学区固定制は「小学校でいじめの標的にされた生徒は、潤沢な資本をもって私立に脱出しない限り、高校卒業までいじめられ搾取の対象であり続けろ、さもなくば死ね」というに等しい階級固定大絶賛の愚かな制度であると言わざるを得ない。左派の連中は、大量の犠牲者を出しながら階層を打破したいのか、大量の犠牲者を出しながら階級を堅持したいのか一体どっちなのだ、という懐疑が拭えない。
いじめ加害者の物理的暴力にも社会的暴力にも抗することができないなら、ひたすら被害を受け続けるか、強要された犯罪に手を染め続けるか、死という永遠の逃亡を果たすか、あるいは完全犯罪で復讐を遂げるかしか残されていないわけで、ゆえに学区固定論者とは、この一点だけは俺とは絶対に相容れない。「意図的で陰湿な虐殺者」相手にどこに妥協の余地があるというのか。
それ以外は面白いし勉強になってるんだけどなあ。