典型的な「いじめ」の構図に他ならない。

自己責任論にNO 女性団体、立ち上がる 米兵事件
http://www.asahi.com/national/update/0216/SEB200802160003.html

「あなたはアメジョですか」。被害を訴えればこういう目に遭う、という見せしめだと感じた。

 なぜ「米兵と親しい」ことを示す言葉が見せしめになるのか、見せしめだと感じるのか。私はこの一節に引っかかりを感じた。
 団体にはこの説明ができるのか。近隣の商売人が客と親しいことの何がおかしいのか。あるいは朝日新聞は近隣の外国人と親しくなることに対して差別的な目を向けることを認容するというのか。この記事が現しているのは、「米国人には近づくな」と言っているのに等しい危険な言説である。立場を変えれば「生野、鶴橋には近づくな」「**学区には近づくな」というのと同じことを書いているという自覚がまるでない。へたに言葉を飾った・ぼかした結果、その内容が非常に広義のものとなっている愚かさを差し引くとしても、この言葉には非常に強い引っかかりを感じる。


 これでは団体やアクティヴィスト自身の差別意識の発露そのものではないか。背後で糸を引く団体がフィールドにしているはずの国では性産業従事者への視線の二重性が学術上の論点となっているのだが、アクティヴィストはそれすら知らないのだろうか。
 加えて、米国人を標的とする差別意識によって、標的と関わる者への差別をあからさまにすることは、いじめにおける標的の拡大及び推移と同じである。
 どうしてサヨクというヤツは後ろから銃弾撃ち込むのが好きなのか、どうも理解に苦しむ。

「アメジョ」は、米兵と親しくする女性たちを快く思わない人たちが反感を込めて使う言葉だ。

 「人たち」は女性なのか男性なのか。そもそも「沖縄のことを知らない」人間が簡単に使う言葉ではないだろう。知らないかつ悪意のある者ならもっと直球な……というか戦後横須賀界隈あたりのカタカナ・反復・四文字で表現するだろう。 もっとも、外国人犯罪の多発は沖縄だけが特別ではない(cf.ヨハネスブルグガイドライン)し、特定地域だけを「外国人排斥」の特区とすることはおかしな話である。


 つまるところ、私の目にとっては、「女の敵は常に女」という言葉を想起させる記事であった。
 もちろん、犯罪は犯罪である。恣意的な量刑、事実認定の為されることがないようにと思う。いかなる国の人間の行為であっても。


あそびにいくヨ! (MF文庫J)

あそびにいくヨ! (MF文庫J)

沖縄を撃つ! (集英社新書 415D)

沖縄を撃つ! (集英社新書 415D)