こいつを着ればあなたもヤンデレ(違

 『止マナイ雨ニ病ミナガラ』体験版を始めたのと、しばらく止めてたので今日はヤンデレな話。

 そんなワケで、俺的に猛烈プッシュ中の『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』シリーズ。
 ただ病んでるだけのヒロインが物足りなくなってきたらマジお薦め。
 邪悪ヒロインなコバルトがお好みなら偏読日記さんで『ガールズレビュー』シリーズの布教を受けてもらうとして、うちはとにかくヴィクロテを推させていただきますw。
 はっきりいって、コバルト編集部もそれほど力入れて宣伝してないけど、「ヤンデレ」定義以前の「切なさが募って暴走」するような修羅ヒロインの暴走ギリギリの綱渡りが好きな人、あるいは単純に切ない恋が好きな人はこっちを。

心の想いを薔薇色のドレスにうつして。
18世紀末イギリス。仕立屋『薔薇色』のドレスは恋を叶えると大評判。店主クリスの元を訪れた侯爵の息子シャーロックは妹のためにドレスを頼む。彼女にはある秘密が…。ロマンチック・ファンタジー
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-600716-9&mode=1

華やかな舞台の裏で事件が! 英国調ロマン。
仕立屋「薔薇色」の店主クリスは内気な少女。再起に賭ける女優の衣装を仕立てることになったが、心の闇を映し出す「闇のドレス」の存在を感じる。侯爵子息のシャーロックはクリスを見守るが…。
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=4-08-600756-8&mode=1

 見てわかるとおり、「恋のドレス」が想いの正の部分を増幅するのに対して、「闇のドレス」は想いの負の部分、嫉妬や猜疑を増幅するわけです。「闇のドレス」を着せようと暗躍する邪悪ヒロインアイリスもいいのですが(ぉぃ)、その標的となってしまう依頼人自身が恋と病みの境界線をさまよい、着てしまったら自覚のないまま病んだ行動を取ってしまう。
 内気で地味で、貴族相手の想いに正直になることができないばかりか、最新刊でアディル・オルソープ伯爵令嬢という台風の目まで登場してしまった今では、主人公のクリス本人が十分反転素質ありというのもポイント高し。

 まあ結果として各エピソードもハッピーエンドで終わるのですが(あー、ここ二巻ほど過去が関わってきはじめてからは別かも)、あくまでも過程を楽しむ、乙女ちっくな感覚と想像力を備えた修羅場属性持ちは(そんな変態俺以外にいるのかいなw)必読。なんでこう同性の同志がいないかなあコンチクショー!w


 あ、相手役の男も自覚したがらない上に自覚したところで全く素直じゃないヤローなのでじれったい男がきらいな人にはオススメしません。ヴィクトリア朝時代独特の紳士淑女のコードと身分が作り出す限定戦がダメな人もやめといた方がいいでしょう。森薫『エマ』が好きなら行っとけw。