古典といえば古典。

 たまに箱から出てくるレゲーならぬレラノベw。
 今となっては鳴海丈がコバルトやアニメージュ文庫に書いていたこと自体あまり知られていないと思うが、この頃の文庫作品を読んでいると、この20年間でラノベの文体がいかに変容したかということを痛感する。たとえば本作の文体は非常に硬く、そして長い。「**は****しながら、(改行)『*******』(改行)と、言った。」という表現が随所に見られる。
 と同時に、ラノベの古典を読むと現在よくみられるような文体で書いている作家が少数いることに気付く。笹本『妖精作戦』、首藤『都立高校独立国』や藤井『死人にシナチク』は後者の一例(まあそれでも硬いけどw)だと思うし、後進や元読者がいかなる文体を模倣したのかということも考えられる。あるいはレーベル単位の文体潮流もあっただろう。
 しかしはたして手元や書架の膨大なラノベの山からそれが分析・実証できるかというと、それは流石に断言できない。いろんなところに大穴があるからである。

 あかん、考えれば考えるほど沈む……。