つたた・つたた・つた・たーたー

スウェアリンジェンの何がいいって言われるとやっぱり「どこか大衆的なところ(民衆的・民族的に非ず)」だと思う。
吹奏楽民族音楽やらに造詣が深くなくても楽しんで聞くことができる*1、その間口の広さとでもいうのかな。大栗は論外としてもリードやジェイガーあたりだと合わない人でもウケがいいし。
そこできっちり積み上げたから今のシェアと支持がある。

Wikipedia ジェームズ・スウェアリンジェン

吹奏楽はスーザやアルフォードや瀬戸口やらの行進曲ばかり取り上げられるせいでなにかとマイナスイメージばかり植え付けられている*2し、オリジナルクラシックとしての有名どころは民謡や民族的旋律で10分越えの大作志向だったりする。下記のリードにしたって大家ではあるけれどこの傾向から逃れられていない(もっとも顧問達の偏向もその元凶ではあるが)。

で、スウェアリンジェンは、民族臭さがなく、どちらかというと映画音楽やTV音楽的な旋律を持つ軽快な音楽を6分程度の序曲風(なかにはシーゲート序曲みたいな10分規模のものもあるけど)にまとめてしまう作曲家。

吹奏楽コンクールや各種イベントの規定(主に時間)との関係や、吹奏楽未経験者でも親しみやすい旋律から、例年5月頃に都道府県規模で行われる「吹奏楽祭」などでは下手すると5割を超える団体がスウェアリンジェンを演奏してたりする。
同様の曲を量産しているだけに、使用リズムが似通ってたり、速度違いの類似旋律があったりと、批判も多いけど、行進曲でも式典曲でも民族音楽でもないところを突っ走った、非常に戦後的かつアメリカ的な作曲家といえるのかも。

*1:デルローストの『プスタ』みたいなジプシー舞曲関係なくノリノリなのもないではないがw

*2:コンサートマーチなんてジャンルの存在すら知られていない。