まわれ赤い靴 刻め封印のステップ

男は欲望のままにすべてを手に入れようとした。
女たちはそれを拒んで欲望を排除したシステムを作り上げた。


そこにあるのは感情よりも制度を優先し、想いよりも誇りで律された、ドロドロの謀略戦も色仕掛けも事前のフラグも拭い去られ、自分の意思で「定められた王子以外に」想いを持てばイレギュラーとして排除される……
選択権はなく、制度としての性に組み込まれ、結果に付いてくる「誇りの裏返しによる」感情に流される、決断も・責任も・恋も・故意も・罪の意識も・なにひとつなく機械的に汚すだけの……
……どちらにとっても生ぬるく心地よい幻想世界。


そして幻想は代謝し、次代が現れれば円舞はまわる。
一人の女が制度を超える想いを持って幻想を打ち砕くまでは。


エゴによって始まった幻想はエゴによって終わった。
温い光に満ちた影の王国は終わり。
次にくるのは果たしていかなる空間か。


……修羅属性的にはいまいち盛り上がれなかったけど、妄想回路フル稼働して外道に深読みすると結構面白かったかな。
個人的には「シャチ吉をください、姫はお引き受けいたします」*1

*1:笑う大天使』参照。