データベースとNPC
ナイトウィザード ソースブック ロンギヌス (ログインテーブルトークRPG)
- 作者: 菊池たけし,ファーイーストアミューズメントリサーチ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2005/03/14
- メディア: 単行本
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TRPGの追加ルールおよび各種ツール、データをまとめたものではあるが、今作『ロンギヌス』では「萌えヒロイン作成チャート集」が収録されている。
TRPGでGMをやる場合、冒険者に行動指針を与える上で実にわかりやすいのが情であり金であるわけだが、その「情」の側面を強力に動かすのがNPCヒロインである。
この手の作成ツールはナイトウィザードが初出というわけではない。F.E.A.R.『ゲーマーズフィールド』のブルーフォレスト物語の記事で書かれたNPC作成表、末期RPGマガジンで提示された美少女作成チャート、これらの組み合わせによってNPCを生み出すことは、私が高校生・学部生だった当時からユーザーに向けて発信されていた。
しかし、こういうツールが必要になった事情は、決して東浩紀のいうような大量消費やデータベースといった問題だけではないように私は思う。そこにあるのは、プレイヤーの受動性と一回性ではないかと。
時間や場所の問題から継続的にTRPGを遊ぶプレイヤー集団は減少し、結果としてコンベンションのような場でのプレイが主流となる一方で、継続的集団でこそやりやすい「新規にGMに挑戦」することがなくなり、GMの固定化が進行することが一点。同時にそういった場でのプレイが主流となることでシナリオ自体が万人向けストライクゾーンを外しにくくなることが一点。前者がネタ切れを呼び、後者がネタを制限する悪循環。「いっそこういうツールでランダム作成して使ってみようか」という気分にもなるだろう*1。
TRPGのPC、NPC作成については研究分野とも関連するだけにもう少し考えてみる必要がありそうだ、が……経験上この手のツールってランダムに振って使えた試しがないんだよなあ…ネタにしかならないかどうでもいいNPCに適用して笑うかだけで。私の場合、この手のチャートの使い道はNPCのビジュアルイメージを適用し、説明する際にチャート内の呼称を用いることくらい。
…ところで、口癖とか二人称までチャートに入っているのはいいとして、それを「実行できる」GMはこんなチャート使わないんじゃないのか?(笑)
*1:そういう使い方をするようになったら末期とも言えるわけだが(笑)