宗教法人R館における「研究者」ってなによ。

 ゲスト講義の終了後、私的に質問している間に漏らされた一言に「R館に来て初めて、専門家・研究者として紹介された」という言葉があった。スピーズ博士はドクターを修了されている、れっきとした研究者である。同じ思春期メディアを対象とする領域の先人として、同時に「フロンティア」をゆく勇者として、敬意を払うべき方だと私は実感した。
 しかしながら、R館における博士の待遇は「研究できる環境でない」非常勤講師、「英語の先生」である(もちろん英語教員という職業を否定するわけではないし、特定科目とはいえクラスの学力に責任を持つことにおいて教育者は尊敬されるべき職業だ、と教職課程経験者としてこれだけは断っておく)。
 しかしはたしてこれが研究者の増強を掲げる宗教法人R館の「実践」として認められるか、というと問題は別である。
 これから研究者として生きていこうとする我々院生にとって、許容できることなのかと、疑問に思わずには居られない。博士は「女性であること」「外国人であること」が非常勤としてしか扱われないことの原因と苦笑した。それは正解であり、同時に誤解である。宗教法人R館は、特に語学において研究者を副業となる特技を持っている便利な教員程度にしか思っていない節が多分にあるからだ。
 R館だからこの有様なのか、それとも……。なんか将来暗いなあ……。