二次元規制は可能か?

 フィクション・二次元系アダルトの規制が動くのは07年、という記述を見かけたので覚え書きの項目に。

 私がこの方面の規制に対して極めて否定的なのは、第一に自分がオタクであること……ではなく、まず第一に罪刑法定主義の問題がある。
 罪刑法定主義憲法にも定められた刑事処罰の大原則であり、9条しか読まないどこかが変な人にはわからないだろうが、近代国家では9条ごとき足元にも及ばないほど国家運営の上で重要な項目である。
 具体的な処罰基準・つまりは年齢基準など作れるわけもない二次元世界(「とうじょうじんぶつはみぃんな18さいいじょうなんだよぉ」)で「18歳未満に見えるものすべて」処罰となれば、まちがいなく憲法訴訟に発展する。これに加えて、刑法38条の問題がある。故意の問題だ。その犯罪を犯す意思がなければ処罰されない、というアレで、ゲーマーが「18歳以上だと認識していました。だって最初に18歳以上だって書いてあるじゃないですか」と言い出すことは十分考えられるし、故意の論点においても「書かれすぎた構成要件」関連で講壇事例が上げられるほど、「年齢に対する認識は非常に不明確」なのである。
 第二に私が反対する理由として、「やおい」に対する無秩序ぶりがある。
 こっち方面に耐性のない方には酷な話になるが……その手の本はかなりえげつない性交描写がある。イラストでももちろんで、裏表紙で全裸ベロちゅーなんかザラである。強姦まがい(注:「婦女」ではないので構成要件に該当しない。なお私は、強姦は身分犯ではないという立場にある)+すとっくほるむしんどろーむじみた「(ぷっ)」と吹き出したくなるような展開が数多く、さらにいえば「こいつら男同士だからこそ問題になるような局面とか男同士でなければならない背景とかなんかあったか?」と疑問を持たざるを得ないような「コンバーチブル」もの、それこそ男女カプにすればそのままエッフェル塔書院逝きなものが非常に多い。加えて、それらの小説・コミックは、一切の年齢制限が無く、コバルト文庫で小学生が買えてしまったりもするのである(注:以前パレット文庫でノーマルなエロ小説が出て話題になったがそれはまた別の話)。もちろん私はこの現状について苦々しく思っているわけで、ついでに言えば一般少女小説レーベルから排除すべきであるとも考えているのだが、こういった状況をそのままにして、片面的に規制を進めることに対して、私は懐疑的にならざるを得ない。

 で、ここからは質問なんだが……仮に規制が通ったとしてハースニール製同人誌はどういう扱いになるのか聞かせて頂きたいんですが規制推進過激派のエロい人。