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 実のところ見ていないわけだが、いつものヲタク叩きマスゴミ偏向だのやらせ疑惑だの、あらかたレビューも出揃った模様。
 私はどちらかというと三次元とは訣別してしまった部類に入るので、決して飲食店としての質が高いとは言えない「メイド喫茶」にはなんら魅力を感じないし、メイド服にしても中の人などいらないとかいいだしてしまうヒトである。それはさておいても、感じるのはマスゴミの必死さ。
 必死さ、というべきでないのかもしれないが、宮崎勤事件のときは「おたく=特殊・異常な少数者」という公式で排除にかかっていたマスゴミが、既に一産業分野を形成した「ヲタク」(ここでいう「ヲタク」はWindows以降の二次元産業周辺を意味する。大塚のいう80年代の「おたく」や村上によるアート的意味の「オタク」ではない)を排除するためになりふり構っていられなくなったという感じである。裏を返せば、マスコミが当たり前とする価値観に対する脅威と捉えだしたことに他ならない。


 マスコミが当たり前とする価値観とは、政治と宗教を除けば、a.異性愛主義であり、b.バカップル男女の消費活動であり、c.バカップルになるための消費活動ではないか。念仏のようにフェミニズムジェンダーフリーなどのスローガンを挙げながらもセレブ幻想や三高(古いかw)といった、男性に消費を寄りかかる構造を存続させようとする価値観を持つ広告塔マスゴミにとっては、ヲタクというのはこれに真っ向から反発する存在でしかないのではないかと考えるのである。

1.
 既にいくつかのレビューの中で出ているが、メイド喫茶も水商売も幻想に金を払い時たま区別の付かなくなったやつが出る商売であり本質的には同じである。しかしながら、現代社会においては一見家父長制の極限ともとれる接客姿勢(そこにはメイドという職業が経済的主従関係によるものという見方は介入しない)をはじめ、ワイドショー支持層の女性にとっては許すべからざる存在であろうし、逆に一般の男性から見れば「たかが制服が違うサテン」とみるか「安っぽいフーゾク」という見方にしかならない。加えて前述したが飲食店としての質は決して高くない。マスゴミ的にはこういった店よりも質的金額的に高い、女性を同伴できるような店、すなわちマスゴミの想定する消費構造に取り込める店に誘導したいところ。その帰結としてのバッシングではないか。

2.
 現代社会は二次元から出る必要性が希薄な社会である。そしてこれを可能にしたのが二次元とは対極に位置する「風俗」産業に他ならない。
 極論を言えば、二次元が絶対に持ち得ない三次元のメリットであるのは予想外の反応と表情の多彩であることという将来的にAIおよび映像進化により消失するものを除いてしまえば、さわれることとヤれることただそれだけでしかない。つまりそれらの二次元では充足し得ない、建前上「三次元上の恋愛」でしか得られない欲求を別のところで経済関係のみで充足できるのであれば、あえてデメリットの多い空間へ出てくる必要など何一つ無い。もちろん三次元を解脱(?w)し無修正エロ画像をグロ画像としか認識できなくなってしまった人々にはこの必要すらない。マスゴミの望む消費行動(特にcのケース)と反することはいうまでもない。

3.
 「現実はもはや魅力的な世界ではない」。マスゴミが叩いておきたいのはこの一点ではないか。前述の「デメリット」、三次元生活の上で、マスゴミ的消費活動に取り込まれた形で発生する自分の趣味以外への出費や、婚姻・離婚制度や家庭裁判所の異常判決の結果生じる負担を考慮した場合、いかに二次元資本がアレでも(どことはいわないが最近ファンサイトにすらそっぽを向かれている某所とか)そちらに取り込まれている方がよほど居心地がよく、結果、ヲタ消費はごく一角の産業から外側へ出ないことになる。前述a〜c、全てに反する価値観の発生である。


 ――――以上、三次元と訣別し、二次元ラブコメですらミリタリー的感覚でしか見られなくなったヲタクが推察した「現状」である。もともとマスゴミによってマスゴミの望む消費活動から排除された層なのに、一大消費圏となってしまってからその消費をマスゴミの望む方向に取り込もうとし、叶わなければ叩き潰してしまえ、というのでは駄々をこねるガキ以外の何物でもない。