勢いというのは怖いわけで。

KATO Nゲージ EF57 3069 鉄道模型 電気機関車

KATO Nゲージ EF57 3069 鉄道模型 電気機関車

 基本的に国鉄形電車派なんだが、こういう武骨で渋い機関車も好きだったりする。勢いで入線させて、ふと我に返ると牽くべき旧型客車の持ち合わせがないので、トワイライトエクスプレスや、オリエントエクスプレス'88が相方を務めることになる。24系は旧型客車に対して車体表面がなめらかすぎるという難点はあるものの、イベント列車的カラーリングにも見えるトワイライトと茶色の復活運転めいた機関車の相性は悪くない。
 青い日本海仕様との相性もそんなに悪くはなく、むしろ白帯金帯が入り乱れた日本海の雑然とした編成は青と茶の混じった客車列車にも似て、案外EF57に似合うのかもしれない。しいて問題があるとすれば、カトー製の機関車の中では軽量化が図られているせいかかなりの走行性能があるため、異機種での重連を行うにはややリスクがあることだろうか。近年のカトー製品はフライホイールを搭載していることで、速度差に対して若干の遊びがあるとはいえ、あまり無茶はしない方がよさそうである。

展翅少女人形館 (ハヤカワ文庫JA)

展翅少女人形館 (ハヤカワ文庫JA)

 今作も見事な人工物フェチにして、圧倒的な速度で文章を制圧してゆく死と存在証明への傾倒。しかし、あまりに遊びすぎている文体は読者を冷めさせていく点で難点だと思う。『幽霊列車とこんぺい糖』ほどのめり込めず、『熾天使たちの5分間』ほどキャラを楽しめない。それが残念。