まあ確かに笑ったらいい顔してそうではある。(某登場人物について)

 しかし写真の角度次第では3の倍数と3の付く数字でアホになる人のようである。

 
 そんなわけで『芙蓉千里』。
 こりゃ今のコバルトじゃ書けないわ、と改めて強く確認したというのが第一印象だが、同時に非常に良くできた歴史小説でもある。角兵衛獅子、ハルピン、女郎と芸妓、馬賊、そして伊藤博文暗殺。戦前戦中の「冒険少女小説」的な雄?飛と『からゆきさん』的な吉原もの、風俗業女性文学の系譜というのもまず無かったであろう組み合わせだろう。何よりもフミが恐ろしく魅力的である。


 今のコバルトは須賀しのぶ作品が書ける状態じゃないのかなと思うし、この状況下での樹川さとみの奮闘はすばらしいと思う。一方で、コバルトが切り捨てた「少女の逸脱・独立」(それは主に性への関心の形で露出される)に関する受け皿を「ケータイ小説」やが担っている現在、コバルトはこのままプリンセスストーリー一辺倒に向かうような気がして成らない。
 それは、ちょうどエロゲにおいて大作フルプライスの泣きゲー・シナリオゲーと、低価格抜きゲー、陵辱ゲーに両極化したのと同じ状態なのではないかなと思うのである。


 それにしてもエロゲカテゴリタグ使うのは久しぶりだ。ついでだからエロゲオタ向けに書いておく、殻鳥雛鳥渡り鳥大好きだとか、ヒロインの生き様に惹かれるタイプのエロゲオタなら読むべし、と。