「面白いこと」の多様化

 前項に加えて。

 富島『制服の胸のここには』の時代には、青少年にとって「面白いこと」は異性のことくらいしかなかったが、笹本『妖精作戦』の時代にはそんなことよりはるかに低リスクで面白いモノがごろごろしていた。そうでなければ沖田なんざとっくの昔につばさの餌食である。
 そして二次元、架空存在にはリスクがないがゆえに、萌だの属性だのに回帰しているにすぎないんじゃないかと。リスクを背負うのは完全に「向こう側」のキャラであって、一昔前の文学のような「身近な」キャラじゃない。