「禁句」の力

 高山脚本の面白いところは、「禁句」をうまく使っていることだと思った。楓の「死んじゃえばいいんだ」も、景の「あなたを消してみせる」も、相手の過去に突き刺さるリーサルウェポンであったなあと。


 2005年末からエスカレートしてきた「ヤンデレ」というムーブメントにおいても、「禁句」は重要なファクターになっている。それまで彼女たちが、そして消費者たちが信じてきたもの……「いつかは報われる」という幻想(それはジジェク的に言えば「症候」ともいうものだろう)が打ち砕かれる一言によって、ヤンデレの反転は確定する。


 最近、『ジェーン・エア』を読む必要性を感じている。どうしてもイギリスは避けて通れないらしい。あと年代記の方に書いていた「あらかじめ破壊された家庭観」と、その悪循環について。バーネット絡みも動き出さないとなあ。