「人畜無害」であると同時に「検疫済」

 セスランと柏木優について。
 「女性」を「異性として愛する」ことをせず、しかし妹や娘を「父親」「兄」としては愛することのできる、外の泥臭さを持ち込まない、聖域への出入りを許可された存在。そういえばなんとも意外なことに志摩子父もまた「無害」化されてしまったなあと。佐藤聖はマンスラム、水野蓉子はサティンの位置にくるのかしらん。
 もしかしたら、異性を愛する描写を一切持つことなく姉および母として描かれた、なのはとフェイトもこの文脈に属するのかもしれない。ヴァイスですら兄の位置に固定されてたし……はやてはどーだろ。唯一まだ「少女」*1だと思うんだけどね。もっとも、あの面々で肉体的生理的に「母親」になることのできるメンバーが何人いるのかと思うのも確かなのだが、まあそのへんの考察はとらハ以来のテーマであるところの生の肯定をも踏み外した三期に期待するだけ無駄か。


 同期M氏の川合三良作品についての発表を聞きながら、「ララァは私の母になってくれるかもしれない女性だった!!」が脳内で流れていたあたりどうにもオタの業というやつはw。

*1:日本的少女小説のモラトリアムと無謀さと、英米少女小説の「既存のシステムには任せておけない」越境者の意識との両面で。