ラブソングが嫌いだった頃の俺

 『KURENAI』聴いて懐かしい気分になるのは、俺が今の「イコール戦争」という視角に目覚める前のことを思い出すからなんだろうな。
 
 あの頃の俺は、一般に流れるラブソングが白々しく欲望まるだしで、性犯罪者の正当化にしか聞こえなかった。9時10時台のドラマの全盛期ね。
 ちょうどあの頃、つまりエヴァ直前くらいのアニメは閉塞感打破というか無駄な熱さが楽しくて、アニソンも勇者系とか、友情系の『WITH〜友よ共に』とか、マンネリ化する前の林原とか、前向きな自意識を歌ったものが多かった*1。俺が『KURENAI』に感じるのはその頃のアニソンとの共通点みたいなものなんだろう。

 その一方で、暑苦しいアニソンと、ラブソングの複合で発生する「大げさすぎるもの」に対する違和感も俺は持っている(まあ大ざっぱな言い方をすればこれも「セカイ系」に属するのか?)。アニメ内容を直接表現するものならまだ許容できるのに。
 たとえば「Hybrid Universe」の水樹奈々には共感できなかった。「THE MUSEUM」の「Crystal Letter」も悪くはなかったがやはり大げささ(とA・Bメロの電子音)が耳についた。「MASSIVE WONDER」も同じく。


 まあ結局は好みの問題なんだけどな。

*1:この頃の自意識寄りの歌詞と、DRAGON ASHが「自意識ラップ」として持ち上げられはじめたのは共通してると俺は考えている。