なるほど……。

人でなしとの恋
http://rosebud.g.hatena.ne.jp/crow_henmi/20061210/1165700972

観念の現実への敗北について。

今のところ、この「敗北」を一手に引き受けることになっているのが「ヤンデレ」とカテゴライズされるヒロインたちじゃないかなと思った。主人公が「ルート確定ヒロイン」の身体や料理や献身といった現実的欲に敗北することは描かれず、「次点ヒロイン」が「抜け駆け」や「男のサガ」といった現実に「失恋」というかたちで敗北することが重点的に描かれる。
どこだったか忘れたけど、『SchoolDays』のレビューで「言葉を二次元女性に、世界を現実女性に」読みかえてるのがあって、それを思い出した。あるいは、うち的な戦争視角だと『機動戦艦ナデシコ』のアキトとアカツキの対立や、小説版「第08MS小隊」のシローや、「0080」の小説版と原典の差異みたいな。

そういう観点では、現在のヤンデレムーヴメント(?)は幻想への徹底的な執着と現実の拒絶なのかもしれない。
だからこそ、ユーザはそれでも「幻想」に与して「現実」に牙を剥くことを奨励するようになってしまう。世界しかり莉子しかり、現実を拒否し、現実に最後まで抵抗すること言葉や霧乃に求めてしまう。
考えてみればとことん抵抗することは、幻想に理解を示す相手がふらっと流されることを除けば、「恋愛」の成立からは逆方向へ突っ走っていく行為(引かれる行為)なんだからそれはそれで残酷な話。


判官贔屓。ミリタリーカルチャー。「強い愛」イデオロギー。パニック、カタストロフものの楽しみ方。いろいろ渦巻いてるけどまとまらない。