因果関係。

刑法では、いかにその行為が結果予見的な観点からは危険であってもそれを自動的に構成要件に当てはめるなんてことはしない。ありふれた行為、生活上必要な行為は、通常の社会において営まれる行為、社会的行為として、構成要件に当たらないものとするのが普通である。

その代表格が自動車の運転や、製造・販売。
よく冗談で「車買ったら殺人予備・運転したら殺人未遂・車売ったら殺人幇助・バイク売ったら自殺幇助」なんて言ったりするが、実際には自動車を運転しただけで殺人未遂に問われることはないし、自動車メーカーが殺人幇助で罰せられることもない。走る凶器売っても無罪なのである。現実に、彼らが売った車が年間数万殺しているのに(前科持ちのDQNなドライバーに売っても過失致死さえ取られない)。

まあこれはひとつの講壇事例なんだが、こういう当たり前のことが見過ごされるのがコミックやアニメやゲームなんかの「よろしくないメディア」規制。余暇をゲームで過ごすのも、車を運転するのも社会的にありふれた行為なのに。ゲームの質がどうこういうならNSXだのS2kだの町乗りには不必要なイカレたスポーツカーはどうなんだよ。二次元美少女を(検閲)して(検閲)してスッキリも二次元美少女が主人公ぶち殺すの見てスッキリもゾンビ(という体裁の細菌兵器感染後の病人)のドタマぶっ飛ばしてスッキリも首都高ぶっ飛ばしてスッキリも同じじゃん。ゲームに酔ったバカが殺人・監禁やらかすのと、スピードに酔ったDQNがひき逃げやらかすのと、どう違うってんだろうね。ゲームそれ自体では人は殺せませんってねー……あー、一部TRPGは別なw。

ま、不真正刑法屋くずれが論文の鬱屈に資料参照もなしに書いてる愚痴。アヒャヒャ。