講演に行けなかった傷は重い。

というかもうなんか箸が転がってもゴシックになだれこむぞ今の俺は。
……というわけで昨日分のつづき。正直MMR方式でやろうかと思うほど電波全開こじつけまっしぐらなので省略記法。マジに統計取ると面白そうだが、二次元ヒロインの内心を前提とするものだけに真面目な研究にはならない罠。俺的には、マジに二次元ヒロインを愛するなら二次元ヒロインの内心を暗黒面含めて徹底的に想定するのが当たり前で、そうでないなら結局は見た目と身体つかエロシーンが目的だったのねひどいわっ(包丁鋸縄波動砲以下省略)、だと思うんだがなw。

さて、昨日は「『主人公という誰かのための制度』に離反する」という方向で二次元におけるゴシック傾向について書いたわけだが、バイト中にちょっとした電波を受信した。
「これって主人公のための制度じゃなくてメインヒロインのための制度じゃね?」
たしかに実際エロゲの構造が誰のための制度かなんてことは結局のところ摘み食い万歳な腐れ外道主人公のための制度であることにはまあ変わりないし、それに対してヒロインサイド視点から「ヤッチメイナー!」と煽る邪悪スキーの嗜好は間違いなく存在する。
一方で私の邪悪スキー回路はもう一つの計算を弾き出す。
すなわち、「当のヒロイン自身が持つ制度・世界への感情(主人公への感情とは別に)」へとシミュレーション回路を展開させることだ。
過去フラグも共通の秘密も持たない、主人公の心理に直撃するような飛び抜けた特技もないヒロインにとって、二次元世界はなんら優しいものではない。そんなメインヒロインのための制度を持つ世界で主人公が当該ヒロインに接近するのはコンプリートのためではあまりに哀れであり、その主人公の動機は結局のところ摘み食いの領域を出るものではない*1。他のヒロインに比べ死角の属性を持て安易に造られた彼女は造物主の定めた二次元的真理の制度に反旗を翻し、アンチ純愛とばかりにアンチキリスト的にゴシックホラーさながらの拘束処刑に走るのも当然だろう。そこまで至らないかませ犬キャラはもっと哀れだが……。そんな計算結果を当たり前のように弾き出した邪悪スキー回路は、同時に別の想定を提示する。
ならば、「メインヒロインのための制度」世界にただ生まれ落ちた凡人的ヒロインではなく、その制度上で二次元的真理に適合しない者として自らの意志の及ばないところ(ヒロインの持つ後天的行動の設定ではなく、先天的事情および後天的ではあるが自身ではどうにも抵抗できないものだった設定のこと。)で作り上げられた彼女はどうなるのかということだ。
需要側が二次元に望む永遠真理というやつは実にやっかいだ。二次元的世界ではまずもって一般三次元がもつ志向それ自体が受け入れられない。化粧品やファッション等に傾倒することも許されない。恋愛関係の資本主義にまつわる同性の圧力なんか存在しないお花畑な世界で素のままで存在することを許される*2し、当たり前のように容姿は端麗であるし、そのかわりいかに対主人公戦線において危機的な状況であろうと動揺もしないで自然にフェードアウトすることしか許されないし、基本的に性に対して清純無垢であることを要求されると同時に急速な堕落を要請される。
しかしまあずいぶんとキツイ条件じゃないか。ハイパーリアリティ、アニメ的リアリティを追求されながら、「人間的」でアナログな内部構造は要求されないで、再度組み立て可能な程度に抑えられた機械仕掛けの内蔵を持たされているのに、股間からは真っ赤な血を流すことを強要される世界ってのは*3
そんな制度の世界で条件から逸脱されることを設定上余儀なくされたヒロインの取る道は、どこまでもその制度を受け入れなんとしても主人公と共依存の関係に持ち込むという正攻法*4と、制度世界そのものを敵に回し二次元的な真理を越えたところで目的を果たすしかなくなってしまうじゃないか。
だったら破壊の主となるのも薬で理性を壊してしまうのも階段から突き落として監禁するのも姉を取り込んで自分の経験を味わわせるのも無理ないんじゃないか*5。自分が条件の欠落から当該制度世界の上で勝利者になれる可能性がないと知り、可能性があるあるいはその可能性を現実にした者に対して二次元世界上ギリギリとも言える嗜虐をもって応ずる*6のもまたゴシックといえなくもない。


とはいえ、二次元の制度が変わり始めたなという印象はある。確かに『下級生2』以後しばらく先ほどの誇張した制度ばかりだったが、「ある意味突き抜けたメーカー」の一角であるOverflowの『School Days』あたりから制度に反旗を翻す「二次元の制度に対してゴシックな」ヒロインが増加しているような気がする。刺せばちゃんと「血」が出るヒロイン万歳。
邪悪スキーにはいい時代になったもんですな、と今後に期待してこじつけ終了。


……こんなこと言ってるから「悲恋・修羅ツインターボ」から「猟奇・数字ツインターボ」よばわりされるんだが、お願いですから同時交換は勘弁してください。

*1:まあそういう過程を展開すると、良心の問題としてプレイヤーは途中で積むか某S・Z氏のサイトに頼るほか無くなるのだが、あくまでもこれは邪悪スキーとしての空想展開である(笑)。

*2:たとえ当該本人に興味が無くともそこに関わる同性の圧力及びいじめは、その資本主義の場に参加しないことを許容しない。たまたま諸事情(病気である、ロボットである、実は男であるなど)により同性からその圧力の対象外としてハブにされていることを考慮しないで純愛もへったくれもあるかw。

*3:もちろんここでの「二次元世界」は誇張気味だが、ある意味突き抜けたメーカー以外ほとんどこんな有様なのは事実だ。

*4:もちろんこれも主人公に直撃するポイントを持っていることが条件……制度上のマイナスを粉砕するアドバンテージを持っているか、あるいは「そもそも敵が存在しない制度世界」であることが必須となる。

*5:前から順に当真未亜、オルガ・エアレ、穂村愛美間桐桜

*6:暴行された過去を持ち条件から外れたと自覚する間桐桜の場合は影の内部に取り込んだ「まだ条件を備えており可能性のある」姉(……事実トゥルー+セイバーグッド後のエロ有りFDが出ているわけだからな……)について冷淡に語る。また、前主人によって調教済みヤク漬けのオルガは淫蕩をもってすべてを巻き込む。オルガの場合はゴシックのアンチキリスト要素でもあるかも。