いいわけはできないと思いなさい。

毎度、自称笑韓ナショナルサヨクです。というわけで今日も笑韓一発ネタ。

朝鮮|д゜)カンサツ日記
ノーベル文学賞にピンター氏 英国の劇作家 韓国期待のコ・ウン氏、受賞ならず」
http://ameblo.jp/8oa/entry-10005132562.html

なんか名前が話題になってしまっている当の作家には同情を禁じ得ないんだが、それをぶちこわしにしているのが半島の掲示板。以下の引用部分だ。

韓国人ノベル文学賞受賞者が出ない理由
http://bbs.enjoykorea.jp/jaction/read.php?id=enjoyjapan_16&nid=1712318&work=list&st=&sw=&cp=1
 
それは韓国語特有の多様で豊かな表現のためだ.
 
これに比べると日本文学はよほど運が良い.
日本語の特徴は単純だから英語とか外国語で翻訳しても意味が充分に伝達する.
単純な日本語は韓国語より文学的な深くは低いが,
むしろ翻訳しやすくから西洋人にアッピールすることができたのだ.
 
日本人がノベル文学賞を受賞することができた理由は日本文学が韓国文学より
水準が高くてはなく単純な日本語の構造が韓国語より翻訳するのに有利だからだ.
 
いつか世界のすべての人々が韓国語を勉強して韓国語の魅力と深みを悟るようになったら
韓国では数百人のノベル文学賞受賞者が誕生するようになるでしょう.

まあいつもの自己満足言い訳だという目で見れば一笑に付すこともできるのだが、ここであっさり切り捨てるのは実はもったいない。なぜなら、韓国語*1という言語は日本語と同じく、一文字ずつ区切っても違和感を持たせない文字であるばかりか*2、文法上、SCV、SOV型の述語が最後に来る言語であって、どっかのダメ翻訳字幕オバサンの手にでもかからない限り、ほぼ日本語と同じ表現、文体が再現可能なのである*3。たとえば以前ネタにした『イリヤの空UFOの夏』では、一文字ごとに改行して間を取るやり方も、ア行の重複による悲鳴や怒号の表現も……およそ英文にしたときに面倒になる表現でさえ、そのままに翻訳している*4。「入。部。届。ごん。」も、「ぎゃあああああああああ!」「西久保おおおおお!」も、秋山節はちゃんと再現されている(DAIWONの書評BBSでも文体に対する賞賛は少なくない)。つまり日本語が小説において使う技法は「日本語の単純さ」どうこうとは無関係に韓国語でも再現可能であるはずなのだ。ゆえに上記引用の主張は無意味である。

こういった簡単に瓦解するいいわけで他者を貶め自己満足を得ようとするから火に油を注ぐんだと言うことが分かってない。仕事スレでもジョークスレでも思うが、こういう価値観、しかも言論の自由がない社会で生きる「まともな」*5研究者は大変だろうなと思う。

*1:言語としては朝鮮語とひとくくりにすべきなんだろうが、文字媒体の話であり、音と文字の対応が南北で違うためここでは韓国語と限定していることを断っておく。

*2:もちろん英語でもナボコフのように一音ずつ区切った表現はしばしばあるわけだが、日本語作品ほど多用はされない。

*3:ここでは語彙は別としよう。

*4:その意味では川上作品、古橋作品、藤原作品が翻訳されたらどうなるのかが非常に楽しみなのであるが、現在のところあちらで翻訳されている物のほとんどがキャラ重視のマーケティングに依存している。SF、ファンタジーが文体の多様化を誘発すると考えるならば、これは非常にもったいないことだ。

*5:バファリン作戦で葬られたオッサンが幅をきかせているようじゃ相当希少な種別だと思うがw