お弁当、持っていくんだもんね……。

名前:ティナ=ハーヴェル
出典:エターナルメロディ
CV:島本須美
属性:病弱・ロング・捕食

異世界ファンタジー・育成シミュレーション『エターナルメロディ』のヒロイン。
突然落下してきた鉄骨の直撃を受けたはずが気づいたら異世界。主人公は知り合った女性たちと共に元の世界に戻るための冒険に出る……。

……とまあ昔懐かしいシステム。
このゲーム、私にとって衝撃的だったのは「異世界ファンタジー」であるにも関わらず「冒険終了後元の世界に帰らない」エンドが存在すること。もちろんパーティ評価判定失敗による「ペナルティ」としての結末であり、戻れた後の往来が簡単に出来ることからも、「元の世界に帰らない」エンドはバッドエンドでしかないし、元の世界に残された人々も存在することは間違いない。なのに、私は「パーティ評価失敗・ヒロイン個別エンド条件達成」という結末が一番好きだったりする。また、各ヒロインがそれぞれの葛藤を持っているのも当時のコンシューマーとしては珍しかったのかも。


で、ティナ=ハーヴェル。CVがクラリスナウシカ島本須美だけにイメージとの乖離が最もすさまじいヒロインでありながらも、私が転んだのは「捕食・病弱」という古典的要素の真髄である「心の裏に潜む捕食主体の本性との葛藤」に惹かれたからに他ならない。絶対に隠しておきたい、しかし想いの強さと食欲が比例する「吸血鬼の血」に対して葛藤を持つ彼女。想えば想うほど相手と自分をダイレクトに傷害するそのジレンマに、もともと悲恋スキーな私はなすすべ無く惹かれた。彼女の内面を示すのはわずか3つの主要イベントとふたつの個別ダンジョン、日常コマンドの定型会話だというのに、与えられた設定と日常の何気ない一言が一貫していたただそれだけのことだったのに。
で、結果私はティナのみならず綺堂さくら、月村忍、遠野秋葉(以下略)と捕食系ヒロインが大好きである。もう矯正不可。


ちなみに。ティナが自らの「吸血鬼の血」を隠すことで主人公に寄り添うのに対して、自らの持つ「民族の血」を主人公に対して距離を置く理由にさえした楊雲も私のお気に入りキャラだったりする。想いに対して、ジレンマの持つ抑圧性が強ければ強いほど、私の嗜好にあうというあたりどうにもならないなあ(笑)。