ライン川

引き寄せて食ってしまうのがセイレーン、引き寄せられて勝手に激突沈没するのがローレライ、だったかな。
とにかくキーワード「ローレライ」で飛んでくるの多すぎ。

2巻読了。
一言で言ってくどい。
過去エピソードはもう少しコンパクトにまとまるはずだし、未だ前半とは言え潜水艦戦闘描写も定型の枠に収まっている感がある。有毒ガスにしても修理に行ったのが帰ってこないのにしても、過去潜水艦ネタ小説・映画・アニメで何回見たか分からない。結果としてやたら冗長。わずか一点アクセントを加えるだけで新規性・意外性を取れるこの手のジャンルとはいえ、そのアクセント(海竜、水中砲撃)もどこかで見た印象が拭えない*1

しかし終戦前の一発勝負ってのはこの手の世界でも最近多いネタ。ご都合主義が受け入れられなくなり、現実的なところでエンターテインメントとして楽しめるものにしようとするとキャラクターの使い方も含めてこのあたりに行き着くのだろうけど、一バクチの成功がどれほどのものか、という点ではその設定もなんだかなあ……という感じ。硫黄島カミカゼはたしかに日本人の底知れ無さを痛感させ以後のGHQ政策にある程度影響を与えたかもしれないが、最近このジャンルは妙にそれを過大評価する機運があるように思う。ジャンル初期の檜山作品なんか見てると、まんま蟷螂の斧で最終的には絨毯艦砲射撃だったりするわけだが、現実的にはこんなもんでしょと。

ま、なんでもかんでも水爆で片を付ける、海の向こうの頭の悪い同ジャンルもどうかと思うが(笑)。


映画はどうも微妙な出来らしい……。
http://d.hatena.ne.jp/./visne/20050304

*1:これは奇怪な武装をごってり積んだ万能艦を見慣れたせいかもしれないが(笑)