美しい花には……(0300追記)

名前:サロメ
出典:有翼騎士団(全3巻)

 QMA2のカード名元ネタについて聞かれたのでちょっとスペース割いてみる。

 左上の黒髪の娘が裏ヒロインともいえるサロメア。
 帝政ロシア秘密警察オフラーナの実行部隊・死人組指揮官である<氷心侯>ミハイル・ゲルングロスの妹。幼い頃に父が反乱に関わったため、兄妹共に捕らえられたのち、兄は収容所送りとなる一方で、帝国の暗殺要員として「毒の娘」となる。致死量以下の毒を投与され続けた彼女は、自身が猛毒を帯びており、不用意に触れるだけでも花は枯れ、人間でも三途の川が見えるほど悶絶し、肩に乗ってしまったリスは数秒で命を落とし、唇を重ねようものならほぼ即死。サロメア自身のもたらす“死”に対する意識と、再開後死人組指揮官となり彼女を救おうと手を汚す(同時に彼女をこのようにした世界に対する復讐を為す)兄の所行の両方に対して心を閉ざしている。


 非常に赤城おろしらしい直球ヒロインである。『有翼騎士団』は私にしては珍しく「ど真ん中の直球」相手にフルスイングなんてしてしまった一作である(←サロメアがど真ん中の直球だと認めてくれない人も多いが……)。
 いやでも実際目の前に白いドレスのはかなげな美少女が両腕を広げて…なんて状況なら生死の境を彷徨ってみる気にもなるだろうさ主人公じゃなくても(←主人公はヒロインの必死の制止も聞かないで自分から抱きしめ口づけたあげくに三途の川を渡りかける……最低。またこのシーンのサロメアのイラストがいいんだ……)。もちろん男どももカッコイイわけだが私にとってはやはりサロメア。どこまでも「愛することが相手の死、生命身体の損傷に必然的に直結する」ヒロインに弱い私。綺堂さくらとか月島忍とか(いずれもとらハ)……。あーあ。